夜影に浮かび上がるのは二つ重なり合う。
両方とも乳房のないことから二人とも男だということが解る。
片方はひどく細く、下手な女よりも細い。
その影はシーツを捲り上げると、そのまま眠りについた。


【蜜の味】


「痛ってぇ……」
ジンジンと腰が痛む。
原因は間違いなく昨日の行為だ。
あの男はリンがされるがままになっていると思って好きにした。
その結果がこれだ。
「俺もいい加減諦めないとな……」
一年前、ペスカ・コシカを失って以来、リンはトモユキと床を共にした。
傷の舐め合いと言ってしまえばそれまでだが、他に痛みを分かち合える相手はそうはいない。
結果としてリンはトモユキと寝ることを良しとするようになった。
ペスカ・コシカはもうない。
リンが壊滅させたのだ。
その事については一切弁解するつもりはない。
たとえ騙されたとはいえ罠にはまってしまったのは自分なのだ。
「あれ、リン?こんなところでなんで一人?」
新しく知り合ったケイスケが声をかけてきた。
昨日の今日だから勘弁してもらいたい。
しかしそうもいかない。
「あ、うん。ホテルで物資交換してもらおうと思って」
適当についた嘘だ。
ケイスケの隣にはあのカズイに似たアキラが面倒くさそうな顔で立っている。
――やっぱり似てる。
アキラと出会ってからトモユキと会うことも少なくなっている。
顔だけではなく、雰囲気もよく似ている。
リンが気を許すのも当たり前かもしれない。
今日は二人に北地区の映画館を紹介しようと思ったが嫌な予感が>r>した。

「よう、元気か?裏切り者」
「……煩い」
夜になり、危ないという事でアキラたちと別れたリンは、一人で北地区の映画館へと来ていた。
トモユキとともに群れている者はペスカ・コシカの残党だた。
「まぁ一人で来たのは褒めてやるぜ」
辺り一面から男たちが飛び出してきた。
リンはあっという間に押し倒されてしまう。
リンの自慢のスピードもこの人数では歯が立たない。
リンはあっという間に服を脱がされ、全裸のまま尻を突き上げられるという屈辱的なポーズをとらされた。
少しでも体勢を崩すと男たちが黙ってはいないようだ。
「は、なせ……」
「そんな恰好で言っても迫力がねえよ」
トモユキは自分の兵を持てたというふうに自慢げだった。
リン自身にもそういった思い出はある。
何でも自分の思い通りになると思い込む、弱さゆえの自信。
「……ふっ」
リンは自身の記憶が蘇ってきて、笑う。
「何が可笑しい!」
トモユキが鼻白む。
「いや、お前が俺と似すぎてるからさ」
可笑しくてたまらないという様子のリンに男たちは気圧される。
ただ一人トモユキだけがリンに向かい合う。
「ずいぶん余裕じゃねーか!思う存分に犯してやる!」
「好きにしろよ」
リンの諦めきったような響きにトモユキは満足したようだった。
「お前がそんなに素直なんてな。不思議ー」
「なんとでも言えよ」
「可愛いこと言ってるから俺だってサービスしてやるぜ」
おもむろにリンの勃ち上がった性器を口に含む。
「っ!なんの、つもりだ?」
「……お前のこれって蜜の味だな。甘すぎる」
そしてリンはそのままイッた。
「じゃあ今度は俺の番だな。上手くイカせろよ」
トモユキはリンに無理矢理っ突っ込むと思い切り中に出した。
リンは腹が膨れた気がしてゆっくり触れるが中に入っているのはトモユキの出したものだった。
「おっと、ゆっくり出そうなんて許すと思うか?」
リンは中の出されたものを掻き出すことも許されず、それが体外に出せないという事に軽く絶望した。






_________________________________r> 2014年 6月15日 莊野りず

トモリン(黒)でした。 いやあ、一度書くと楽しいものですねエロって。 バッドエンドもどっちこいタイプなのでリンルートバッドも欲しかったです。
リンルートバッド、トモユキエンドはいかがでしょうか?



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