無分類30のお題 →TYPE1

5、ON(アキリン)


リンは自分の中の『雄』のスイッチはよくonになることを知っている。
 別に一人で抜いていればいいが、それでは情緒がない。
 「ねぇアキラ、俺と寝ない?」
この言葉の意味も解らないほど子供でもあるまい。
アキラは何を言っている、と言いたそうな顔をし、リンから詳しく話を聴くことにした。


 「つまり、今はお前の発情期だって事か?」
 「ちょ、アキラは直球すぎるよ!」
ケイスケが宥めにかかるも、その相手をしているリンもノリノリなので、どっちみち大した意味はない。
 「うん。性欲持て余して困ってんの。相手してよ」
その言葉を受けて、アキラはリンの全身を上から下まで眺める。
 色白の肌、柔らかそうな金の髪、整った目鼻立ち。
どこをとってもその手の場所では大金で買われるくらいだ。
 「……アキラ、もしかしなくとも、本気?」
 「だってしょうがないじゃないか」
 「そうそう、これは俺から言い出してんだし。何なら中出しでもいいよ」
 可愛い顔してとんでもないことを言うリンに、ケイスケは思わず吹き出した。


その後、ホテルの個室から出てきたアキラがあまりにもスッキリとした顔をしているので、どうだったかと訊くと、返事は保留。
ケイスケは結局仲間はずれにされただけだった。




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 2015年 1月25日 莊野りず

 リンのホルモンバランスはどうなってるのだろうかという疑問から、『リンはお酢ホルモンと雌ホルモンが交代してるんだよ』なんて脳内妄想から出来たものです。
でも性欲のオンオフが出来れば結構便利じゃないですか?



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