+リンルートのバトル模様妄想+
「……」
「……なぜ、嗤っている?」
「あれ? 俺が解るのに、アンタには解らないの?」
「……」
「……」
どこにそんな余力が残っているのか、どう見てももう使い物にならないであろう左足を無理矢理引きずりながら、あくまでも『自然に』、自分の元へと寄ってくる『弟』。
「教えてやるよ、左の礼に。……俺の願いが叶うからだ」
「……『願いが叶う』、だと?」
鼻で嗤う。
どう見ても自分の勝ちだ。
――俺の強さは俺が一番よく知っている。……呆けたか?
どう見ても、どう考えても、昔の『お仲間』でさえも、目の前の『弟』の敗北を認めざるを得ないだろう。
それなのに、目の前の『弟』は確信に満ちた瞳でこの自分を『嗤う』。
――愚かさも極まったな。
内心で溜め息をつく。
こんな『愚弟』と『血が繋がっている』。
その事実自体が屈辱的だ。
「……今、何を考えてる?」
「……俺の考えなど言うまでもないだろう?」
「それもそうだ」
『愚弟』が日本刀を持つ手に力を込める。
「……俺の大事なものを奪っていったアンタを、俺はずっと怨んでた。でもそれ以上に許せないのは俺自身だった」
「……」
「仇も取れなくて、大事な奴を死なせて、のうのうと生きてる自分自身が許せなかった。……むしろ進んでアンタに殺されたかった」
「……フン」
――雑魚が。
「……でも、今は違う。俺を『信じて』くれる奴がいる。……アンタを殺す理由が一つ増えた」
「……ほう?」
真っ直ぐ自分の紅い瞳を見つめてくる『愚弟』。
どう足掻いても、永遠に自分には敵わない、まさしく『愚弟』。
……だが、だからこそ、その言い分も聞いてみたくなる。
「『仲間の仇』、これは俺のあいつらへの俺なりのせめてもの償いだ。そして俺自身のけじめでもある。そして、もう一つの理由――」
「……言ってみろ」
「……『約束』したからだ。『必ず勝って追いかける』って」
「くだらんな」
「……」
期待をして損をした。
もっと『弱者』なりの、『弱者の理屈』を話すと思ったのに。
――興醒めだ。
自らの日本刀を構える。
確かに自分も手負いだが、目の前の『愚弟』ほどではない。
やはり、どう戦っても『勝利』しかない。
「……『愚弟』に殺される覚悟はできた?」
「……お前こそ、希望の死に様があれば聞き届けてやらん事もないぞ?せめてもの『兄弟』としての『愛情』だ」
「……本当に、『反吐が出る』」
「……二度目だぞ? お前の語彙は貧弱すぎる」
「……『負け狗の遠吠え』だね、『兄貴』?」
「……覚悟はいいな?」
「……そっちこそ」
……日本刀がぶつかり合う金属音が、アスファルトのフィールドに響き渡る。
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なんてものをpixivで上げてみたのですが、『閲覧約三十の評価が『一』でした(笑)。
それなりに私的な『燃え』を追求したつもりなのに。
……でもまぁ、周り美味い片ばかりですので、それも当たり前なんですけどね!