横恋慕10のお題 トモリンで攻略

7、一度だけでいいから


「リン、これ祝賀会で着ようと思うんだけど」
ペスカ・コシカのユニフォームを脱いだカズイは照れくさそうに言った。
 「バッチリ!やっぱりカズイにはそういうのが似合う」
リンもテンションが上がっている。
 面白くない――トモユキはそう思っていた。


 「リン。俺と寝てくれ」
 直球だった。
バカじゃね?とリンに言われた。
けれどトモユキは諦めない。
 星がよく見えると評判のビルにリンを呼び出して告白もした。
それでもリンは首を縦に振らない。
そんな時だった。
トモユキがカズイに声をかけられたのは。
 「トモユキ、お前は自分が一緒に寝てくれと言われて首を縦に振るか?」
 「振らねーよ。俺はホモじゃねえ」
 「リンに対してお前がしている事はそういう事だ」
いつも正論を吐くカズイが、今は憎らしかった。


 「つまりお前は俺とやりたい訳だな」
リンにストレートに言われ、トモユキはややかしこまる。
 「そうだよ。悪いか」
 「悪い」
リンは即否定した。
 「やっぱりか……」
トモユキは世界が終わったような顔をしている。
 「でも定期的にやんないとな」
リンの言葉に、トモユキは即反応した。
 「あ、勘違いすんなよ?俺も男だし、溜まってるから」
 確かにリンは美少女のような顔立ちだ。
そこいらの少女では適わないくらい美しい。
そのリンがやらせてくれるとは思っても見なかった。
 「ただし三つ約束しろよ。仲間に言わない、カズイに言わない、一度だけ」
トモユキとしては不服はなかった。


そして朽ちたラブホテル。
その中にトモユキとリンがいた。
 服はリンが自分から脱いで全裸だ。
トモユキも脱げと言われて何も身に着けてはいない。
 「ん…くっ」
 耳たぶを舐められて、それだけで感じたらしい。
その身体を撫で回すと甘い歓声が漏れる。
それがただ嬉しくて、身体中を撫で回す。
リン自身はとっくに熱を持っていて、出せるのを今か今かと待っている。
 身体中を撫で回してみて、リンは乳首が特に感じるようである。
 摘んだり、転がしたり、舐めたりしているとリンの口からもっとと言われた。
 「ハッ!ペスカ・コシカの頭がこんなに淫乱だったなんてな」
トモユキは気をよくしていた。
 「ト…モユキ、お、前。覚えてろ、よ」
 殺気を込めたらしい瞳も情欲を秘めた瞳にしか見えない。
 「まあ、お前は黙って喘いでろよ」
 乳首への攻めが激しくなる。
そこでリンは射精した。
 「おっと。自分だけよくなろうなんて都合がいいじゃねーの」
トモユキは自らのものを取り出してリンの口元にあてがった。
リンは何も言わず、トモユキのものに舌を走らせている。
しかしそこで強い刺激があった。
トモユキがリンの後肛に指を入れてきたのだ。
いきなりの事に歯を立ててしまった。
 「いてぇ。何歯立ててんだよ」
リンの秘所をいじる手を休めずに、トモユキは言った。
 「よし、そろそろ良いかな」
 自身をリンの口から引き抜くと、慣らしたそこにいきなり入れた。
 「んっツ!ああ……」
 「いい声。もっと啼けよ」


それからリンは以前以上にカズイにベタベタした。
 逆にトモユキには近寄らなくなった。
 所詮は一晩だけの関係だ、解っていた事じゃないか。
それでも一度だけでもリンと交われたのは幸せだ。
カズイにはあの面を隠しているらしいから。
だからあのリンは俺のものだ。

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 2013年 1月10日 荘野りず

一度だけの関係、トモリンでした。
リンは実家出る前にシキにやられてると思うんです。<勝手な妄想
だからアキラとも上手くやれたんだと思います。



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