微エロ10のお題 カップリング色々で攻略(※お題通り、多少エロいです)

10、壊れても、いいから。(リン→カズイ前提 トモリン)


『愛がなくても構わない』。
カズイを喪い、リンが出した結論はそれだけだった。
ペスカ・コシカが解散して以来、リンは誰も愛さないし心も開かない、許さない。
それはリンが自身で決めた戒めだった。
またカズイの時と同じことが起こったら――そう考えただけで怖くてたまらない。
 大切にして、それをまた台無しにされるのはもうご免だ。
 絆など求めない、見返りも求めない。
リンにあるのはただの劣情。
だから、トシマでトモユキと再会した時はちょうどいいと思った。
――トモユキ相手に本気になることなんてない。


 深夜、早朝、誰も街に出歩かない時間帯。
リンが映画館に行くと、そこにはいつも都合よくトモユキがいた。
もちろん一人で。
 「ようリン。まあた困ってんのか?大変だなぁ」
トモユキは小馬鹿にするように笑った。
あのリンが今や一人で行動するのがおかしくてたまらないとでも言うように。
 「……用件は解ってんだろ?早く済ませたい」
リンは挑むような眼差しでトモユキを睨む。
 今は三時台。
この時間ともなると、いくら暴走したい年頃の若者でも眠りにつく。
それを知っていてリンは今日この時間を選んだ。
 「……悲しいねぇ。そんな『あくまでもそれだけ』みたいに言われると、俺って何なんだ?って話になるじゃん」
トモユキが茶化しても、リンの表情は変わらない。
ただ黙って睨んでいるだけだ。
 「……解ったよ。ただし、他の奴のことなんか考えんなよ?萎えるから」
 「お前の他に俺がこんなことする相手なんていると思うか?」
リンの自嘲するような言い分に、トモユキは愉快そうに笑う。
 「ははっ!そりゃそうだ!昔ならまだしも、今のお前じゃあな!」
これだけ言って満足したのか、トモユキは壁にリンを追い詰めた。
 「今日は思い切り抱けよ?……壊れても、いいから」


 「……今日はこれか。お前にしては考えたんだな」
 壁に追い詰められ、リンはトモユキの腕から逃れられない。
 正面から迫るトモユキの唇をかわせずにそのままキスを受ける。
 「ん、ふぅ……」
 舌を絡められ、思わず声が漏れる。
それに気をよくしたトモユキの舌が口内を這いまわる。
 歯の内側をなぞり、喉の方にも侵入しようとするトモユキの舌は、拒もうとしても止まらない。
 歯で噛んでやろうとするとすぐにトモユキはリンの唇から自分のものを離した。
 「危ねぇな。これくらいいいじゃねぇか!」
まだ足りないとばかりにトモユキが不満を訴える。br> 「お前に何をされてもいいとは言ってない。俺はMじゃない」
 「……良さそうな顔してたくせに」
こんな軽口もいつもの恒例となっている。
 性格が合うわけではないが、嫌いではない、互いに。
トモユキは壁にリンを押し付けてリンの首元に唇を寄せる。
 服に隠れるか否かのあたりで、リンの白い肌をきつく吸う。
 「こら、何やってんだ!跡なんてつけんな!」
リンの文句が広い映画館に響く。
 二人しかいないここでは今のキスの音も、これからすることの音も生々しく響くだろう。
 「うるせぇな。お前の欲求不満を解消してやれるのは俺だけなんだぜ?」
 言いながらトモユキはリンの両手首を片手でまとめ上げて、上の方で固定した。
 全体的に細いリンがトモユキの腕力から逃れるのは難しい。
 「……今日はこういうのがしたいの?ずいぶん趣味がいいんだな」
 余裕綽々でリンが冷笑を浮かべると、トモユキも負けじと笑った。
 「キスくらいでこんなにしてる奴に言われたくねぇよ」
リンの服の下からトモユキが胸元に手を這わせると、そこはすでに反応し、次の刺激を待っていた。
 「いっそナイフで服に切れ目でも入れてやろうか?」
これはさすがに冗談だと解るが、ここで変に抵抗して機嫌を損ねるのは賢い選択とは言えない。
 着替えなど持っているはずもない。
 「……」
リンは黙ったまま、トモユキの執拗な胸元への愛撫を受けることを決めた。
 「そうそう。そうやって素直にしてりゃいいんだよ」
 上機嫌で服の下に顔を入れた。
 左側を手で弄り、右側を躊躇いなく口に含んだ。
 「ッツ!」
その瞬間に歯を立てられ、何とも言えない刺激がリンの全身を駆け巡る。
 次は舌の先で潰したり、何度も甘噛みしたり、かと思えば左側をきつく摘み上げたり。
そんな緩急をつけた刺激で息が乱れる。
 「あっ……はっ……」
トモユキはそこでいったん手を止め、服の下からリンの顔を覗き込む。
 囚われていた手首が解放される。
 「……ずいぶん感じてるみてーだけど、どうして欲しい?」
 答えなど知っているくせに、わざとトモユキは煽り立てる。
 「……もっと、もっと刺激が欲しい!」
 息が上がりながら、トモユキの頭に腕を伸ばしながら、リンは素直に告げる。
その答えに満足するが、そう簡単にリンを満足させない。
 「して欲しいなら、先にしろよ。……解ってるよな?」
その問いに、リンは息を上げながら頷いた。


 「いい眺めだな」
 今度はトモユキがリンを見降ろしている。
 映画館の観客席に座ったトモユキは、少し足を開いてリンが舌を這わせる音を楽しげに聞いている。
リンは後ろ手に手首を縛られてハーフパンツも脱がされている。
 腰から先を上に掲げるという無茶なポーズでトモユキの大きなものを咥えている。
 容赦なくリンの口内で大きさを増したそれは喉の奥を突いてくる。
 「ん、ふぅ」
 喉をふさがれ、自然にリンの目から涙がこぼれる。
それを見たトモユキは嬉しそうに髪を掴み、無理やり上を向かせる。
 「ホンット、いい眺めだな」

トモユキはおかしそうにリンの後ろを指の腹で撫でる。
 撫でられただけで、リンのそこは嬉しそうに震えた。
 試しに指を二本挿入れてみると、何の抵抗もなく入った。
 異物を感じたリンは思わず歯を立ててしまう。
 「痛って!歯ァ立てんなよ!」
 上機嫌だったトモユキはリンの頬を容赦なく叩く。
するとリンは体勢を崩してしまう。
しかし奥に挿入れられた指は抜けることなく、絶妙な場所に当たった。
 「うっあ!」
 口内からトモユキのものが抜けて、裏返った声が出た。
 丸出しの下半身はさっきから反応しているが、この衝撃で少し先走りが出た。
 「なんだぁ?そんなに良かったか?……って、俺もそろそろ限界だわ」
トモユキは機嫌が直ったらしくリンの顔に向けて射精した。
 鼻の頭から乱れた髪の間に、白濁した液がかかった。
 「ちょ、これ取るの大変なんだぞ」
リンは文句を言うが、その声は甘く蕩けている。
 表情も気持ちよすぎて蕩けている。
 「そんな顔で言われても説得力ねぇよ!」
トモユキはリンの蕩けた顔ですぐにまた反応した。
 「ま、俺はリンの困った顔とか感じてる顔とかは好きだからな。今日はしばらく会わなくてもいいくらいにたくさんやるよ」
なんてことのないように言うと、リンの露わになった体を抱き上げ、膝の上に股がくるようにした。
 嫌な予感がするが、その時はすでに遅かった。
 再び勃ち上がったトモユキのものはろくに慣らしていないリンの、本来入れられる用途ではない場所に、無理やり突き刺さった。
リンは自分の中をゴリゴリと音を立てて犯される感覚を嫌というほど味わった。
 「うっ……くぅ、ぅ……」
 必死に抑えようとするリンの小さな声が、映画館に残酷に響く。
 「もっと声出せよ」
トモユキがリンの腰を無理やり上下に動かす。
そのたびにリンの口から喘ぎ声と唾液が漏れる。
 「もう……げんか……ぃ」
リンは意識を失う直前に、中に出されたことだけを知った。



 事後の後片付けをしながら、トモユキはリンに服を着せてやる。
ウエストバッグには下着の替えは入っていた。
 思い切り中に出したものが今にもこぼれだしてきそうだが、かき出してやる気はない。
あくまでトモユキとリンは身体だけの関係なのだ。
しかし……トモユキは残念に思う。
 「お前がこれでいいなら俺は何も言わねぇよ。……けど、どうしてもってんなら俺らのところに来ればいい」
 寝ているリンにはもちろん聞こえないだろう。
トモユキはリンの苦しそうな寝顔にキスを落とした。
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 2014年 2月21日 莊野りず

 トモリンエロにしよう!……とか考えてたら、なんかセフレになってました。
 個人的にこんなトモリンは結構好きです。性格は合わないけど、身体の相性はいい!みたいな。
リンルートでリンがイル・レに挑むのをやめさせようとしてたり、アキラを亡き者にしようとしたり、トモユキってツンデレでしょ?
ラブラブじゃなくて、互いに割り切った関係なら上手くいきそうな気がします。
アキラを出そうと思ったけど尺が足りなくなったのでおしまいです。お粗末様です!



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