無分類30のお題 →TYPE1
20、ゴム(アキリン)
「ただいまー」
「あ、お帰りー」
アキラがアパートに戻ると、リンはやる気だった。
そう言えば帰りの道で野良猫が鳴いてたっけ、なんて全く関係ないことを考える。
「見れば解ると思うけどさー、俺やる気なんだ」
ズボンのふくらみからそんな事は容易に予想がつく。
「……ずいぶん久しぶりだし唐突なんだな」
「ああ、俺の発情って猫と大体同じ周期だから」
そんなもんかと疑わしげにコートを脱ぐ。
リンはそんなアキラの様子をじっと見ている。
「……なんなんだ?」
「いや、一発抜くの手伝ってよ」
一応二人の間では生ではしないという約束がある。
リンの身体の負担もあるし、処理が面倒だ。
しかし今回は勝手が違った。
「たまには中出しも良くね?」
そうリンが言ったのだ。
もちろんアキラとしてはそんな真似などする気はない。
が、物理的にないものは仕方がない。
「ちょっと薬局行って買ってくるから」
それまで待ってろと言い含めたつもりだった。
しかし、アキラの帰る頃にはリンは一人で抜いたらしくすっきりした顔をしていた。
「あーお帰りー」
あんまりにも遅いから自分でやっちゃった、なんて言ってもアキラが怒らないのはリンくらいのものだろう。
「……これからは、ちゃんと常備しておこうな」
アキラ的にはこの機会に一発……なんて考えていたのだが、まあこれはこれでいい。
リンの相手は自分以外には務まらないという自覚だけで満足だ。
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2015年 1月25日 莊野りず
ゴムをそのままの意味で使いました。
……まちがってはいないよね?
リンは生派で、アキラはゴム派な気がする。