家族に対する10のお題 シキリンで攻略

8、誰もいない家の中


今日は母が留守だ。
いつも家事に追われているメイドたちも母と一緒に外出。
リンは一人で留守番をしていた。


 星の写真集を読んでいたリンは突然紙面から顔を上げた。
 「つまんない。飽きた」
 一人ぼっちの部屋の中でそう呟く。
いつもなら母親に勉強しろと言われたりもするが、今は一人だ。
 兄を超えるために竹刀を振り回したりもするが、今日は雨だ。
だから大人しく部屋で読書でもしようと思ったのだが何度も読んだ本なので飽きてくる。
 「何か面白いものでもないかな」
 本棚を漁っても既に内容を覚えてしまったものや興味を持てないようなタイトルのものばかりだ。
このままただボーっとしているのも時間がもったいない。
 「そうだ!」


リンはシキの部屋の前にいた。
 仕事を始めてからというもの、シキは中々家に帰ってこない。
メイドが掃除しているのを見かけたことはあるが、シキからは部屋に入るなと言われている。
 「……いいよね、別に。兄弟なんだから」
 明るくそう言うとリンはシキの部屋に入った。
シキの部屋は標準サイズの本棚と机、そしてベッドがあるだけのシンプルな部屋だった。
 飾り気は一切ない。
 「これが兄貴の部屋かぁ。殺風景」
 机の上にもボールペン一本転がってはいない。
それがまたシキらしくて、リンはベッドに寝転がる。
 「固いなーでも兄貴の匂いがする」
 猫のように転がっても埃一つ立たないのはメイドたちの仕事の成果だろう。
 「……」
ヤバイ。
 久しぶりに尊敬する兄の香りに触れたからか身体が変化し始めた。
 「やべ。……でもしょうがないよね。このごろやってなかったし」
 親も留守だし、この部屋の主だっていない。
 開いているカーテンを閉めて、下着ごとハーフパンツを脱ぐ。
 「うわぁ、オレってば正直だな」
 苦笑しながら立ち上がったそれに手を触れる。
ゆっくりと先に爪を立て、刺激を与える。
 「……んっ、はっ」
 兄の顔を思い浮かべるだけで、指先は濡れていく。
 先っぽを強く摘むと身体がぞくりと震える。
 十分に濡れたそこを今度は手全体で握ると、堪えていたものが一気に飛び出した。
 着ているシャツにぬめりのある液が散った。
 「はあ、はあ、……ふぅ」
ティッシュが見つからないのでシャツを脱いで、それで白濁した液にまみれた自分のものを拭いた。


 「ただいま、リン」
 母親とメイドたちが大荷物を抱えて帰ってきたのはその日の夕方だった。
 「おかえり」
シャワーを浴びて着替えも済ませたリンはにっこりと笑って彼女たちを出迎えた。
 「あら、リン。今朝と着てる服が違うわね」
 「今日は暑かったから、早めにシャワー浴びたんだよ」
 「でも今日は雨よ?」
そう言われても言い訳が思いつかない。
 困っていると急に電話が鳴った。
 「母さん、電話。兄貴からかもよ」
 「そうね。リン、生ものは冷蔵庫に入れておいて」
 予期せぬ電話のおかげでその時はそれ以上聞かれなかった。


それから数日後、突然のシキの帰宅で兄にバレたのは別の話。
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 2012年 7月日 荘野りず

 シキリン……になってますか、コレ?
シキの留守に寂しくなってヤりたくなるリンを書いてみたくてやってみました。
この時点で兄貴呼びだから12〜14くらいですね>リンの歳



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