愛のシチュエーション10のお題 カップリング色々で攻略

4、閉じ込められた(トモユキ→リン→アキラ)


「あーなんでこんな事になるんだよ!やっぱりお前に会うとロクな事がない」
リンは頭をかきむしった。
 「俺だって!なんで裏切り者のお前とこんな事に!」
トモユキはリンを睨みながらも少し嬉しそうだ。


 事の始まりは些細な事。
アキラ達と別れたリンはシキを見かけて後を追った。
いつの間にかいなくなるのはいつもの事だが、その先にトモユキがいた。
そこで小競り合いをしているうちに隣のビルが崩れてきて閉じ込められたという訳だ。
 昔は仲間だったのにトモユキはリンの事を裏切り者だと思っている。
 何度も否定しても信じてくれない。
なのでリンの方も距離を置いている。
そんな二人が閉じ込められたのだから、当然居心地が悪い。
 「もっと離れろよ」
 「裏切り者が偉そうにするな。俺達はもうペスカ・コシカじゃねーんだから」
 「……っ」
 『裏切り者』と言われるたびにカズイのことを思い出す。
カズイが生きていたら信じてくれるだろうか。
そこまで考えて首を振る。
――カズイは死んだんだ、俺が殺した。
 大人しいリンにトモユキは面食らっている。
いつも強がってばかりだったからか、その小さな背中を抱きしめてやりたくなる。
 「あのよ、お前に訊いても仕方がないかもしれないけど、もしかしてお前が話してたのは本当の事なのか?」
リンはそっぽを向いた。
 「どうせ信じてはくれないんだろ。言うだけ無駄だ」
カズイが生きていた頃はリンは割りとオープンだった。
やはりカズイがいないのでは気分も沈んでしまうのだろう。
 「アキラ、とかいったっけ?アイツが今のお前の好きな奴なのか?」
 「お前には関係ないだろ」
バッサリ斬られてしまった。
 「……相変わらずお盛んだな」
からかうように言うと、リンはトモユキを睨んだ。
 「アキラとはそんなんじゃない」
 「じゃあ俺とは?」
 「は?」
リンにはなにが言いたいか解からないらしい。
 「お前も溜まってんだろ?ここいらで俺と一発どうだ?」
その言葉にリンは軽蔑した眼をした。
 「誰がお前なんかと。早くここから出ないとおっさんとか心配するだろうし」
そんなリンをトモユキは抱きしめた。
 今のリンは理由はよく解からないが危うい。
 何発か殴られてでも止めるべきだ。
 「トモユキ。お前しつこいぞ」
トシマに来てからリンとは何度か会っていたが、会うたびに嫌味ばかり言ってしまう。
 気になって仕方がないのは恋をしているからに違いない。
この状況はチャンスだ。
トモユキはリンを押し倒すと、その柔らかい唇に触れた。
ペスカ・コシカの仲間の前では絶対にしなかった事だ。
それが今実現している。
 結局トモユキはリンに夢中なのだった。


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 2013年 3月24日 荘野りず

 トモリンです。
トモユキ→リン→アキラは萌えです。
カズイは本編登場が少なかったのが残念です。



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