無分類30のお題 →TYPE2
15、天井(リン→アキラ)
何にもすることがない。
いや、別にやる事があるとしても、今は休みたい気分だけど。
兄貴を、長年の俺の敵を倒した後、俺が得たのはどうしようもない孤独。
俺の左足は兄貴との死闘の後で切り落とす羽目になった。
とはいえ、あの鬼のように強い兄貴に勝った今はそんな事など気にしない。
これって俺もアキラに追いついてきた証拠だったりして。
だったら嬉しいんだけどな。
ある日またも検査。
いい加減にいい機材でも入れろよ、なんて思うけど、俺レベルの患者にはこの程度の処置が限界なのだろう。
いい加減に天上ばっか眺めてるのも気が滅入る。
……。
「あっ」
よく見てみたら、角の所のシミがどこかアキラに似てる。
他にも部屋の中央辺りは源泉のオッサンだ。
こっちは皺まで再現されてる。
再現度高ケーナ、オイ。
「リンさーん、検査ですよ」
俺を呼びナースの呼び声も、このシミを見た後では何か嬉しい。
早くよくなって、絶対にアキラの所に帰ってやる!
だから、待ってろよ、アキラ。
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2015年 4月7日 莊野りず
たまにはリン視点より。
ドイツ人って壁のシミとか気にするって漫画で読んだんですが、本当なのか。
とりあえず、リンは漢なので細かいことは気にしません。