無分類30のお題 →TYPE2

27、しっぽ(アキリン)


  

「リンって、本当に猫みたいだな」
同居人がいきなりそう言った。
厳密には『同居人兼恋人』なのだが。
「ホント?昔からよく言われてたんだよね。『雄猫』そのものだって」
リンは気を悪くした様子もなく、どこか嬉しそうにそう言った。
人懐っこい笑みは、トシマにいた頃のままで、違いといえば左足だけだ。
また、成長したという点もまた違いだが、彼くらいの年齢ならそれも顕著だろうと思う。
「……それで、俺にしっぽがあれば猫なのになーとか、猫プレイが楽しめるのになー、とか考えてた?」
「……お前は俺を何だと思っているんだ?」
アキラが呆れた声を出すと、リンは明らかにつまらなそうな顔をする。
「じゃあ猫カチューシャ!そして猫しっぽ付きハーフパンツ!これで俺も猫だ!」
「……」
このコイビトには、時々ついていけなくなることがある。
この時もそうだった。
アキラは解りやすいため息をつくと一言コメント。
「俺はリンが尻尾がついていない雄猫だから好きだけど?」
それだけで、リンのテンションは一気にダウン。
「……ずるいよ、アキラは」
こうして二人の共通の休みは今日も平穏に過ぎていく。


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2015年 8月24日 莊野りず

以前確かに書いたはずなんですが、ファイルがどっかにいっちゃったので書き直し。
リンは本当に猫っぽいですよね。





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