無分類30のお題 →TYPE2

29、棘(リン襲い受け?な源リン)


  

「だぁかぁらぁ〜綺麗な花には棘があるなんて言葉、お前らの世代は知らんだろ?」
ビールだけでよくもこんなに酔っぱらえるものだ、とリンは源泉を冷めた目で見ていた。
「ハイハイ、オッサンの言う通りですよー」
この手の酔っぱらいはまともに相手をするだけ損だ。
この街でこの男と出会ってから身をもって学んだ。
「つか、明らかに飲みすぎじゃん」
リンの指摘はもっともなもので、いつもはビール一本で済ますところを三本空けている。
アルコール度数の低いビールでさえこうなのだ。
リンがいつも飲んでいるカクテルはかなり度数が高いのだろう。
「……俺の妻も美人だったぞぉ?羨ましいだろ?」
「ふーん」
リンは男しか好きになった事がないから、源泉の気持ちなど解らない。
「あっ!……楽しそーな事思いついちゃった!」
リンはマスターに必要なものを借りると、そのまま準備をした。


「あらぁ〜イイじゃない!」
マスターは完全にリンの悪ノリにのっている。
リンは鏡を手に自分の顔を映し見る。
「やっぱそう思う?俺って魔性の美少年かもね」
褒められるのも、女装するのも、思っていたよりも抵抗は少なく、楽しい。
そして源泉の耳元で囁く。
「あ・な・た!起きて」
どう聞いても男の声だが、リンの声は高めだ。
「おおー妻よ!」
源泉はリンが離れる隙を全く与えずに、熱いキスを?ましてきた。
それも超濃厚なディープキス。
これにはリンも抵抗するしかない。
やっとのことで離すと、肩で息をする。
「……オッサンって意外とデキる男だったんだ……」



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2015年 8月24日 莊野りず

サブタイトルは『オッサンもやるときゃやるよ』です(笑)。
源泉は色んな可能性があると思うんですよ。
いつもは(大抵は?)リンが酔いつぶれる側なので、たまには逆転。
流石のリンもキステクは敵いませんでしたね。
        
 



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