貴方に願う10のお題 レイジナ・アベレアで攻略

7、心を偽らないで(アベレア)


ハルフォルト教会からわたしを解放してくれたのは、黒い翼の貴方。
いつでも強気な貴方はわたしの憧れです。


アベル様と行動を共にするようになったのがついこの間のように思える。
 実際はかなりの時間がたっている。
アベル様に連れてこられたインセストたちは満足そうに息を引き取っていく。
 教団の施設で生を終えるのとは全く違う。
 「レア」
インセストから力を受け取ったアベル様は、わたしを呼ぶ。
 「はい、何でしょう?」
わたしは立った今亡くなったばかりのインセストの少女の冥福を祈っていた。
どうか彼女に安らかな眠りがおとずれますように。
 「カインたちは幽葬の地下通路からカルヒン族の村に向った。俺たちも行くぞ」
 「はい、アベル様」
わたしはバトンを持ってアベル様につかまった。


カルヒン族の村ではアベル様の言うとおり、カインと呼ばれる少年たちがいた。
パスカのペインリングの力でパスカを造りだすと、彼らを村に放った。
 「何でパスカがっ!」
カインの仲間の女悪魔が驚いている。
そこへアベル様とわたしが現れる。
パスカを引き連れたわたしたちと彼らの戦いが始まり、わたしたちは負けてしまった。
アベル様は約束通り情報を渡すとわたしを置いて去ってしまう。
わたしはそれで構わない。
アベル様の心は嘘をついていないとわかるから。
でも悲しかった。
それもすぐ忘れられた。
あれからすぐにアベル様はわたしについていっても良いと言ってくれたから。
やはりアベル様は優しい人だ。


キボートス島の世界樹の元、わたしはニコという少年と出会った。
 年の頃はアベル様と変わらない位なのに甘えたがる。
アベル様はする事が沢山あるので、わたしが彼の世話のような事をしていた。
でもどこか危なかしいところは少しだけ似ている。
 「おねえちゃん」
 「どうしたんですか、ニコ」
 彼が少し困ったように、言いづらそうに口を開く。
 「あのね、おねえちゃん。アイツがカインがこの島に戻ってきたんだ」
やはり来た――そう思った。
そろそろ全てが終わるのだ。
 「神父様もアイツのせいで死んだのに!何でアイツが!」
 「……ニコ」
この子はやはりアベル様に似ている。
でもアベル様は自分の事をきちんと受け入れている。
この子とは違う。


 核心受胎装置の上でわたしたちは再会した。
 「キミは何者なんだ?」
カインがアベル様に向って問う。
アベル様は自身がペインキラーである事をはじめて明かした。
 普通の人と感覚が違うのはそのせいだったのだ。
だが突然様子が変わる。
――この気配は。
アベル様の様子がおかしくなってすぐにわたしは刺された。
 彼の持つパスかのペインリングにアラギ様が宿っていたのだ。
 激しい痛みにわたしの視界は霞む。
けれど、良かった。
わたしの死を悲しんでくれる、この気持ちは本物だ。
心を隠したり偽ったりしていて読めなかった本当のアベル様の気持ち。
それが解っただけで、わたしはしあわせです。

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 2012年 7月日 荘野りず

久々に00プレイしたよ記念。
レア視点は書いたことがない(と思う)ので、今回はレア視点。
やっぱりアベル視点の方が書きやすいと思いました。



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