悲恋系15のお題 レイジナ・アベレア中心で攻略

9、からまわり(レイジナ)


○月×日。
今日は謁見の日。
姉さんに近づく不審な男を発見。
奴は姉さんの手を握って、あろうこと<\か姉さんの綺麗な顔に近づこうとした。
許せん!成敗してやる!
――レイジの日記より抜粋。


「なんだコレ。……お前大丈夫か?」
ギルヴァイスは心底心配そうにレイジの額に手をやった。
熱は……ない。
「大丈夫に決まってるだろ。額に手をもってくるな。姉さんに誤解されるだろ」
「それはないだろ」
レイジが日記をつけているなんて知らなかった。
書くにしても、もっとましなものを書くと思っていた。
なのにこれは酷い。
他にもジーナローズの姿を見ただけで死刑だの、リンチなど物騒なことが書かれている。
レイジの頭が心配だ。
「姉さんは俺だけの姉さんなのに。ほかの奴なんてほっとけばいいのに」
「いや、そういうわけにもいかないだろ。ヴィディアに見られなくてよかったな」
「なんでヴィディア?」
「なんでもない」
ヴィディアは自分の好きな男がこんなに痛い奴だと知っているのだろうか。
「とにかく、お前はその残念な頭を何とかしろ!」
ギルヴァイスは自分の所持している書物をレイジに渡した。
帝王学や地位あるもののあるべき姿を説いたものだ。
レイジは読みたくないと渋ったが、無理矢理読むよう言った。
ジーナローズにこの日記を見せるぞと脅して。


「さて。レイジはましになったかな」
こっそりとレイジの部屋に入り、日記の隠し場所を開けた。
あの時は忙しくてじっくりと読めなかった。
日記を読んで驚愕した。


▽月◆日。
久しぶりの謁見の日。
例の馬鹿がまた姉さんに近づいた。
今度の集会の時に姉さんから直々に罰してもらおう。


「これは酷い……。レイジはどこだ!」
慌ててレイジを探す。
この日付は一か月前のもので、集会は今日決行なのだ。
レイジを止めようとするが遅かった。
ジーナローズの謁見はすでに始まってbr>いて、レイジは彼女の隣に控えていた。
「ジーナローズ様のご尊顔を拝見出来て幸せです」
「ありがとう」
何も知らないジーナローズは微笑む。
突然レイジが大声を出した。
「姉さん、こいつが例の不届きものだ!」
「えっ?何?」
「一年前の謁見の日に姉さんに近づいたんだ」
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